最も環境にやさしいと思われている企業は5年連続サントリーに――日経BP 2015年「環境ブランド調査」
2015年7月9日 17時56分更新
7月8日、日経BPは2015年の「環境ブランド調査」の結果を発表した。
環境ブランド調査とは企業の環境に関する活動が一般消費者にどのように伝わっているかについて調査したものであり、今年で16回目を迎える。
環境ブランド調査の総合指標である「環境ブランド指数」が最も高かったのはサントリーで、5年連続首位となった。2位は昨年に引き続きトヨタ自動車、3位はパナソニックと続いている。
1位のサントリーの環境ブランド指数は99で、昨年2位のトヨタ自動車との差は8ポイントから2ポイントへと縮まっている。
また「環境ブランド指数」を構成する4つの指標「環境情報接触」「環境コミュニケーション」「環境イメージ」「環境評価」のうち、昨年はすべての指標でサントリーが独占したが、今年は「環境コミュニケーション」ではパナソニックが1位、「環境評価」ではトヨタが1位と、サントリーとの差が徐々にだが縮まってきている結果となった。
上位20社のうち、昨年より順位を大きく上げた企業は10位のコスモ石油(昨年22位)、16位のマツダ(昨年25位)等が挙げられるだろう。
「プラスイメージの上位企業」を見てみると「省エネルギー」ではトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダといった自動車メーカーや、パナソニック、シャープ、ダイキン工業、三菱電機、東芝といった家電メーカーが名を連ねている。
「リサイクル」ではイオンが1位となっているものの、サントリー、日本コカ・コーラ、アサヒ飲料、アサヒビールといった飲料メーカーにパナソニックやキヤノンなどの電機メーカーがランクインしている。また4位には衣料メーカーであるファーストリテイリングがランクインしているのも見逃せない。
「廃棄物削減」ではサントリー、日本コカコーラ、キリンビールなどの飲料メーカーに、ローソン、イオン、セブン-イレブン・ジャパンといった小売店に加え、食品関係であるモスフードサービスや日清食品がランクインしている。
逆に「マイナスイメージの上位企業」では、「地球温暖化・エネルギーの無駄遣い」では東京電力や東北電力、関西電力、九州電力、中部電力といった電力会社が目立っている。
また「資源利用・廃棄物の処理に課題がある」でも東京電力、東北電力が上位にランクインしており、原発問題のイメージが強く根付いているのが伺える。電力会社の他には食品、飲料メーカーやコンビニのイメージが悪いようだ。
調査は全国の消費者を対象にインターネットアンケートで実施され、調査期間は2015年3月18日から4月24日にかけて。1万9639人から有効回答を得ている。
企業ブランドの形成に強く影響する4つの指標を総合した「環境ブランド指数」を主要指標としており、それを構成する4つの指標とは、回答者が当該企業の環境情報に触れた度合いである「環境情報接触度」、環境報告書や各種メディアなど環境情報の入手先を集計した「環境コミュニケーション指標」、環境面で当てはまると思うイメージについて集計した「環境イメージ指標」、環境活動への評価度合いを集計した「環境評価指標」となっている。
これらの結果を偏差値(平均50)で表記し、全企業ブランド中の位置が分かるようにしている。
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