「働けない」か「働きたくない」か? 就業経験のある未就業女性のスキルに関する調査
2015年5月27日 16時32分更新
・対象者は以前フルタイムでの就業経験はあるが現在は働いていない女性
・子育て、介護など「働けない」理由以外に「働きたくない」という意欲低下も23%
・以前の職場がオペレーター的な業務だった人は、スキル不足を意識している人が目立つ
大妻女子大学の井上俊也教授らは「NTTコム リサーチ」モニターを対象に「就業経験のある未就業女性のスキルに関する意識調査」を実施した。
一都3県在住の35歳~55歳の女性(子どもなし、もしくは小学生以上の子どもあり)で、以前にフルタイムでの就業経験はあるが現在は働いていない女性1,794人に対して「現在働いていない理由」を聞いたところ、「家事や子育て、介護など、働くことを阻害する環境があるから」が最も多く47.8%を占めたが、「働く意欲が十分ではないから(23.2%)」、「働くために必要なスキル(能力・知識・資格)が備わっていない(16.8%)」などの、意欲やスキルの不足を挙げる回答も存在した。
「働くために必要なスキルが備わっていない」事を働いてない理由の一つに回答した301人と、「それ以外の上記に記載の理由で働いてない」と回答をした1,493人の間では、「以前働いていた時の職場での立場」や「働いていた時の職種」について属性の違いもみられる結果となっている。
「以前の職場での立場」について、「スキルが備わっていない」と回答した人の中で「他人からの指示を忠実に行う」オペレーター的な役割と回答した人が81.1%で、「それ以外」の理由を持つ人(63.6%)との間で17.5ポイント差の開きがあり高くなっている。
以前の職場での立場(働いてない理由の1つに必要なスキルが備わっていないと回答したケース)
前の職場での立場(働いてない理由をスキル以外の理由と回答したケース)
次に両者間で差があるのが以前職場で「リーダーを補佐し、チーム全体を束ねていた」サブリーダー的な役割をもつと回答した人で、「必要なスキルが備わっていない」回答者(7.3%)に対し、「それ以外」の理由を持つ回答者(13.9%)のほうが6.6ポイント差で逆に高くなっている。
働くために必要なスキルの不足の理由もあって現在働いていない方に「働くために必要であるが欠けていると思うスキル」を聞くと「パソコン使用能力(62.8%)」「語学力(話す聞く42.2%)(読み書き37.9%)」などのテクニカル系スキルが欠けているとの意識が高いことが分かった。 また「不足している資格」については「英語関連(英検,TOEIC,TOEFLなど)(38.2%)」,「IT関連(ITパスポート,情報処理技術者,MOS,CCNAなど)(27.9%)」,「外国語関連(英語以外)(21.6%)」が高い数値を示した。「士業」と言われる資格についてはいずれも低く10%前後であった。
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