障がい者が就業前に知っておきたいこと1位は「障がいへの理解・配慮」
2015年5月26日 16時09分更新
・対象は20~60代の障がいを持つ就業経験者
・入社前に知りたい情報の筆頭は「障がいへの理解・配慮」
・入社前に得られる情報量が少なくなればなるほど会社への満足度は低下する傾向
障がい者総合研究所では20~60代の障がいを持つ就業経験者684名を対象に、職場では入社前までにどの程度、就職・転職先に関する情報を得られたかについて、実態調査のアンケートを行った。就職・転職する企業を選ぶうえでもっとも重視されている情報は、1位が「障がいへの理解・配慮」、2位が「仕事内容」、3位が「給与」となった。
一方で入社前までにこれらの情報を十分に得られるケースは多くはない現状も浮き彫りとなっている。「求人票の内容だけで必要な情報が得られたか」という質問では、「得られた」という回答は43%であり、半数以上の57%の方は求人票だけでは十分な情報が「得られなかった」と回答している。
また「入社前までに必要な情報を得られたか」という質問でも、「得られた」という回答は50%に留まっており、選考過程においても十分な情報を得られず、そのまま入社に至っている様子が伺える。
そしてこうした入社前までの情報量は、会社への満足度に大きく影響している。入社前に得られる情報量が少なくなればなるほど会社への満足度は低下する傾向が見られ、「必要な情報をほとんど得られなかった」という方の会社への満足度はわずか25%となった。
さらに本アンケートでは、障がい者側から企業に対し入社前までに必要な情報を伝えられたか、という調査も実施し、その結果、約60%の方は「伝えられた」と回答しており、半数以上の方は自身の障がいや必要な配慮、希望について伝えられたと感じている結果となった。一方で、「伝えられなかった」という方が約40%存在しており、その方々の会社への満足度が低い事を考えると、ここにも改善の余地が見受けられる。
以上の結果から、入社前にしっかりとお互いを理解出来ている事が、会社への満足度を高め、長期的に障がい者の活躍を促進していく上で重要だと推察される。
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