話し合いのニーズに応え切れていない現状が浮き彫りに――米国個人投資フルサービス顧客満足度調査

2015年5月21日 14時32分更新


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・フルサービス型の証券会社、投資会社を利用する投資家の平均年齢は61歳
・資産移転について話し合いたいというニーズは高いが、実際話し合いを行った投資家は42%にとどまる
・アドバイザーが親子間の架け橋になれるため、ここでサービス差別化をできる金融機関には商機がある

 
 
 J.D.パワーは投資アドバイザーに助言を受けて投資を行う5,300人以上の米国の個人投資家を対象とした「2015年米国個人投資フルサービス顧客満足度調査SM」の結果を発表した。

 投資家が高齢化し、若い世代への莫大な資産移転が予想される中、証券会社・投資会社は顧客に適切な質問をしていないがゆえに、次世代との関係を築くことができず運用資産を失う可能性があることが、本調査で明らかになった。

 フルサービス型の証券会社や投資会社を利用している投資家の平均年齢は61歳で、投資アドバイザーや証券会社・投資会社は今後予想される莫大な資産移転の機会を逃しつつある。次世代の受取人を指定している投資家の71%がアドバイザーと資産移転について話したいと思っているが、そのような話し合いをした投資家は少なく、42%に過ぎない。一方アドバイザーが資産移転のニーズについて尋ねた投資家は、尋ねられなかった投資家に比べて満足度が高い。

 J.D.パワーの証券業界担当のディレクターであるマイク・フォイは「アドバイザーの多くは資産移転について顧客と話しづらいのかもしれないが、ほとんどの投資家は次世代に自分の資産を役立てて欲しいと思っている。多くの場合、投資家は自分の子供となかなかお金に関する話をできずにいるため、アドバイザーは世代間の懸け橋となれる唯一の立場にある。この点に関してアドバイザーを教育してサポートできる証券会社や投資会社には、サービスで差別化できるチャンスがある」と述べている。

 証券会社・投資会社は資産移転について、世代間だけでなく同世代内の資産移転も積極的に働きかけていない。投資家の約4分の1(23%)が、アドバイザーは自分の配偶者やパートナーに連絡を取ったことがないと答えており、長期的に見ると家族の資産を維持する大きな機会を失っているようだ。

 また投資家がアドバイザーに寄せる信頼には世代間で差が見られる。1946年より前に生まれたベビーブーム前の世代の3分の2以上(67%)がアドバイザーは自分の利益を考えてアドバイスをしてくれたと答えており、Y世代(1977~1994年生)とZ世代(1995~2004年生)ではこの割合が40%に低下する。

 銀行別の結果の一部は下図のとおり。
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