障がい者研究所は働く障がい者への給与満足度調査を発表、昇格や昇給は非常に厳しい状況
2015年3月26日 15時03分更新
・身体障がいの場合年収が200~299万円が最も多いが、精神障がいの場合100~199万円が多い
・この差は雇用形態とリンクしており、正社員比率は身体障がい者は36%に対し、精神障がい者は15%
・昇格や昇給は非常に厳しい状況がうかがえる
障がい者総合研究所では働く障がい者に対して給与への満足度に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。
障がい者全体で給与収入をみると3人に1人は年収200万円未満で生活。 障がい別でも開きがあり、身体障がい者では年収200~299万円が最も多いものの、精神障がい者では年収100~199万円が最も多くなっている。 精神障がい者については2人に1人が給与収入200万円未満で生活している事になる。
この要因のひとつが雇用形態だ。 身体障がい者では、正社員36%、契約/嘱託社員42%であり、アルバイト/パート社員の割合は14%に留まっている反面、精神障がい者では、正社員15%、契約/嘱託社員25%であり、アルバイト/パート社員が最も多く36%を占めている。 雇用形態別の年収では、アルバイト/パート社員の89%が199万円未満と低水準であり、精神障がい者におけるアルバイト/パート社員の多さが年収を押し下げているものと推測されている。
このように全体的に給与水準が低い一方で、給与については「満足している」という回答が43%になる。 満足している理由を見ると、「仕事に対する正当な評価だと感じるから」と現状を前向きに捉えている理由が多数を占めたものの、フリーワードでは「給料をもらえるだけましだから」といった諦めの気持ちも散見される。
一方で給与に満足していない理由の1位は「希望の生活水準に足りていないから」であり、生活に支障が出ている人がいることも分かる。また、満足していない理由の2位は「今後の年収アップが期待できないから」であり、フリーワードでも「一度も給与が上がらない」「ランクアップしない」など、昇給や昇格が難しい状況が伺える。 満足できる年収額という質問では、300~399万円という回答が多く、希望と実態の乖離は非常に大きい状況となっている。
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