山手線、下り速度の最速地点は、222.9Mbpsで神田駅 ー ICT総研
2021年5月10日 12時10分更新
ICT総研は5月10日、山手線4Gおよび5G通信速度実測調査の結果をまとめた。2020年から楽天モバイルがMNOとしてのサービスを開始し、各社が5Gサービスを開始するなど、通信業界の変化は著しい。そんな中、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの通信速度の実態を把握することを今回の調査の目的としている。
測定端末は、NTTドコモ、au、ソフトバンクがXperia5Ⅱ、楽天モバイルはAQUOS R5G。速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度を3回ずつ測定。測定地点は、東京都のJR山手線 全30駅のホームと、それぞれの駅間(移動中)の全60地点。調査実施日は、2021年5月2日~5月5日である。密集状態を避けるよう、細心の注意を払って測定したとのこと。
山手線の「駅ホーム」および「駅間」全60地点の下り通信速度は、auが137.5Mbpsでトップ
調査の結果、山手線の「駅ホーム」および「駅間」 全60地点の下り通信速度は、auが平均137.5Mbpsでトップとなり、ソフトバンク (116.4Mbps)、NTTドコモ (97.0Mbps)と続いた。一方で楽天モバイルは31.5Mbpsと、上位3社から大きく離される形となった。前回調査(2019年12月に実施した同様の調査)では、楽天モバイルが下り35.1Mbpsでトップであったが、同社の数値は大きく変わっていない。だが、5Gの導入により、楽天以外の他社が高速化した格好だ。もちろん、コロナ禍であるため密集状態を避けて測定したことも、前回調査から平均速度が高速化した大きな要因だと見られる。
調査対象の60地点を「駅ホーム」と「駅間」に分けると、「駅ホーム」の4社平均は下り112.9Mbps、「駅間」は78.4Mbpsとなる。移動中の測定である「駅間」と比べて、各社とも「駅ホーム」の方が高速となっている。
また、全60地点の上り通信速度については、楽天モバイルが平均33.7Mbpsでトップとなった。下り通信速度は前回調査から平均値が大きく伸びたが、上り通信速度についてはあまり変わっていない。
全60地点の5G受信地点比率は、4社平均で31.3%。楽天は5G受信地点が0地点
5G受信地点比率については、4社平均で31.3%であったものの、事業者ごとに大きな差が出た。トップのauは60地点中37地点で5Gを受信でき、5G受信地点比率は61.7%。次点のソフトバンクが48.3%であったが、NTTドコモは15.0%に留まり、楽天モバイルは5Gを受信できた地点が、1地点もなかった。
ちなみに、前回調査では楽天モバイルがau回線をローミングした地点が6地点見られたが、今回調査では1地点もなく、全て楽天モバイルの自社回線であった。
下り速度の最速地点は、神田駅。4社平均下り速度が222.9Mbpsと非常に高速
測定地点別に見ると、神田駅ホームが下り速度の最速地点であり、4社平均下り222.9Mbpsと非常に高速であった。五反田駅ホーム(174.8Mbps)、秋葉原駅ホーム(168.6Mbps)、巣鴨駅ホーム(168.1Mbps)がこれに続く。一方で、4社平均の下り速度が最も遅かったのは、代々木~新宿間であり、下り33.9Mbpsであった
ICT総研は「今回の調査では、前回調査との比較の意味も込めて、山手線60地点を調査地点とした。NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社は5Gサービスを本格的に開始していることもあり、全地点平均で下り100Mbps前後の速度を記録。地点ごとの最高速度については、3社とも400Mbpsを超えており、環境次第で5Gの通信速度が非常に高速になることを示した。楽天モバイルの5Gエリア拡大はこれからとなるが、今度の動向を見守りたい。」としている。