山手線4G通信速度、楽天モバイルがTOP 回線が混雑しづらいことが要因か - ICT総研

2019年12月24日 14時44分更新


Pocket

 ICT総研は12月24日、山手線4G通信速度実測調査の結果をまとめた。今までMVNOの「楽天モバイル」を提供してきた楽天が5000名限定で、自社回線を使ったMNOとしての試験サービスを2019年10月より開始。2020年春には本格的にサービスを開始する予定である。
今回の調査では、楽天MNOのネットワーク環境が、現時点で既存のMNO(NTTドコモ、au、ソフトバンク)と比較してどのような状態であるのか、通信速度の実態を把握することを目的とした。
測定端末は、NTTドコモ、au、ソフトバンクがiPhone8、楽天はOPPO Reno A。測定にはGoogleの速度測定サイト「インターネット速度テスト」を使用し、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度を3回ずつ測定した。測定地点は、JR山手線全29駅のホームと、それぞれの駅間(移動中)の全58地点。調査実施日は、2019年12月19日である。

山手線の駅ホームおよび駅間 全58地点の下り通信速度は、楽天が35.1Mbpsでトップ

 調査の結果、山手線の「駅ホーム」および「駅間」 全58地点の下り通信速度は、楽天が平均35.1Mbpsでトップとなった。既存のMNO3社では、auが30.3Mbps、NTTドコモが27.5Mbps、ソフトバンクが27.5Mbpsとなり、大きな差はつかなかった。
楽天はホームページ上で、「楽天エリア」と「パートナーエリア」とに分けてサービス提供エリアを公開しているが、自社回線を使った「楽天エリア」は現状で東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市の一部に限られている。ICT総研は「今回の調査では、調査対象地点を山手線にしたことで、楽天の自社回線エリア内での測定となったことが、好結果につながったものと考えられる。それぞれ数千万人の契約者を持つNTTドコモ、au、ソフトバンクに比べ、MNOとしての楽天のユーザーは5,000人に限られているため、回線が混雑しづらいことも大きな要因であろう。」と分析している。

山手線の駅ホーム 全29地点の下り通信速度は、NTTドコモが37.7Mbpsでトップ

 調査結果を「駅ホーム」 29地点と、「駅間」 29地点とに分けてみると、「駅ホーム」では、NTTドコモが下り平均37.7Mbpsとなり、楽天の36.2Mbpsを若干上回った。とは言え、4社ともに35Mbps前後の通信速度を記録しており、大きな差はなかった。
一方、「駅間」では、トップの楽天が下り 33.9Mbpsとなり、次点のauの26.3Mbpsに大きな差を付けた。NTTドコモは、「駅ホーム」の下り速度でトップであったものの、「駅間」で下り17.3Mbpsと低調であったことが全体の結果を押し下げた。

上り通信速度は、ドコモ、au、ソフトバンクが10Mbps前後なのに対し、楽天は33Mbps

 上り通信速度の調査結果を見ると、楽天が全58地点で平均 32.9Mbpsであったのに対し、既存のMNO3社は10Mbps前後に留まり、大きな差を見せた。ICT総研は「現時点で楽天は、下りでも上りでもほぼ遜色のない通信速度を提供できていると言える。」と分析している。

全58地点中、楽天回線がau回線のローミングに切り替わった地点は、6地点

 楽天については、楽天の自社回線なのか、au回線をローミングしているのかを、随時「Network Cell Info Lite」を使用し確認していたが、今回調査した全58地点中、楽天がau回線のローミングに切り替わった地点は6地点であった。駅間の移動中よりも、駅ホームでの測定時にau回線に切り替わるケースが多く見られた。

 ICT総研は「今回の調査では、まだ提供エリアの限られている楽天を既存のMNO3社と横並びで比較するために、山手線を調査地点とした。結果として楽天が優位な結果を記録したことで、楽天MNOは良い条件であれば、既存のMNO3社と同等以上の通信速度で利用できることを示した。もちろん、実際にはユーザーが利用する場所は、山手線だけではない。今後本格的な商用サービスが開始されて提供エリアが広がり、ユーザー数が増えた際にも、この通信速度・品質を保てるか、動向を見守りたい。」としている。

関連カテゴリー