UQ mobile が格安スマホ・格安SIMの顧客満足度で第1位 ―J.D. パワー調査
2019年6月12日 13時53分更新
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワーは、2019年格安スマートフォンサービス顧客満足度調査と2019年格安SIMカードサービス顧客満足度調査の結果を発表した。
同調査は、J.D. パワーが年に一回、大手3キャリアサービス(docomo, au, SoftBank)以外の携帯電話会社またはMVNOが提供するサービスでスマートフォンを利用している全国の18~64歳男女(法人利用除く)を対象に、契約先サービスに対する満足度や利用状況、各種経験を明らかにすることを目的として実施しているものである。
同調査では端末の調達方法別に、契約先の事業者からスマートフォン端末も一緒に購入したユーザー(格安スマートフォンサービスユーザー)と、SIMカードのみを購入(契約)してスマートフォンを利用しているユーザー(格安SIMカードサービスユーザー)に分けて調査を行っている。
また、「通信品質」「各種費用」「提供端末」「サービスメニュー」「手続き・サポート対応」の5ファクターにて評価を聴取し、それぞれに関連する詳細項目に対する評価を基に総合満足度スコアを算出している(1,000ポイント満点)。
総合満足度に与える各ファクターの影響力は、格安スマートフォンサービスでは、「各種費用」(27%)、「通信品質」(21%)、「提供端末」(18%)、「サービスメニュー」(17%)、「手続き・サポート対応」(17%)となっている。格安SIMサービスでは、「各種費用」(33%)、「通信品質」(24%)、「サービスメニュー」(24%)、「手続き・サポート対応」(19%)となっている。
各調査の総合満足度ランキングは下記の通り。
同調査は、大手3キャリアサービス(docomo、au、SoftBank)以外の携帯電話会社またはMVNOが提供するサービスでスマートフォンを利用しているユーザーを対象としており、スマートフォン端末も契約先の事業者から購入したユーザーを「格安スマートフォンサービスユーザー」、SIMカードのみを購入(契約)したユーザーを「格安SIMカードサービスユーザー」と定義して調査を行っている。
今年で3回目の調査となるが、今回も格安スマートフォンサービス、格安SIMカードサービスユーザーともに、今後改善を期待する事項として「通信品質(速度やつながりやすさ)の改善」が最も多くあがっており、過去調査と比較しても大きな変化は見られていない。
また、実際の通信品質に対する満足度は前年から向上が見られた事業者もあれば、低下している事業者もおり、各社の通信サービス施策やその改善取り組み状況によって明暗が分かれた様相となっている。
今後の携帯電話契約の見直しの際の検討先を聴取したところ、docomo、au、SoftBankの大手3キャリアサービス(MNO)も検討したいというユーザーが、格安スマートフォンサービスユーザーでは2割、SIMカードユーザーでは1割となっており、MNOへの出戻りも視野に入れているユーザーが一定数存在していることがうかがえる。
このようなMNOも検討したいというユーザーは、現状の通信品質に対する満足度が低く、通信品質への改善要求も高い。また、加入年数の長いユーザーほど、通信品質の対する満足度は低くなる傾向も見られており、顧客離反を防ぐためにも、顧客に継続的に通信品質の改善を感じてもらえるような取り組みが必要である。
加えて、同調査では普段スマートフォンで利用しているサイトやサービスについて聴取しているが、SNSや動画映像サービス系コンテンツの利用といったデータ通信容量の大きいサービスの利用が年々増加している傾向が顕著に見られており、通信速度やつながりやすさに対するユーザー要求は今後益々シビアになっていくことが予想される。新規顧客獲得に向けた投資も重要な側面となる市場ではあるが、既存顧客の維持・長期契約顧客の醸成に向け、継続的な通信品質の改善・向上施策が期待される。
■調査概要
・実施期間:2019年4月
・調査方法:インターネット調査
・回答者数:格安スマートフォンサービス:4,000人、格安SIMカードサービス:4,000人
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