ドコモ 上半期は増収減益、顧客還元策が影響も「引き続き注力」

2017年10月27日 11時44分更新


 NTTドコモは2017年10月26日、2017年4~9月期の連結決算を発表した。営業収益は前年同期比.0.5%増の2兆3001億円、営業利益は同6.3%減の5488億円となり、増収減益であった。
 上半期としては3年連続の増収だが、営業利益は3年ぶりの減益となった。格安スマホとの激しい価格競争に対抗し、顧客還元策として割安な料金プランなどを相次いで導入したことが影響したが、決算説明会に登壇したNTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏は、減益に至った主な要因として、2016年に償却方法の見直しをした影響が大きいと説明。「年間業績予想に対して順調な進捗状況」と語った。 

 主力の通信事業は、営業収益が前年同期比0.8%増の1兆8708億円、営業利益が同9.6%減の4744億円。携帯電話契約数は前年同期比3%増の7536万契約、スマホ・タブ利用数は同9%増の3709万契約、光ブロードバンドサービス「ドコモ光」の契約数は同1.7倍の418万契約とそれぞれ増加した。また、ドコモ光の契約増も影響し、ARPUは同290円増の4710円になった。
 一方、契約の純増数について、年度計画では当初220万を予想していたが、今回130万に大きく下方修正している。この理由について、吉澤氏は、「昨年と違い、モジュールの数が出ていない。昨年まではスマートメーターの需要がかなりあったが、それが落ち着いてきた。またMVNOの伸びも落ち着いてきたのかもしれない」と説明した。
 また、同社では今回の決算から、スマートフォンとフィーチャーフォンの解約率を示す「ハンドセット解約率」という数値を公表している。今期の全体の解約率は前年同期比0.06%増の0.64%、ハンドセット解約率は同0.02%増の0.47%となった。

 スマートライフ領域は、営業収益が前年同期比0.4%増の4454億円、営業利益が同22.2%増の744億円。dカード契約数は1832万契約、そのうちdカードGOLDが前年同期比1.8倍の308万契約に増加。dポイントクラブ会員数は6324万件、そのうちdポイントカード登録数が2.3倍の1708万件に増加するなど、決済サービスが好調だった。また、dポイント提携先が同2.7倍の約3万1400店舗に増加。+dパートナー数も321にまで拡大している。

 3年ぶりの減益となったが、吉澤氏は、「下半期にはさらに300億円程度の支出が生じる予定だが、設備投資などのコスト削減によって支出増に対処する方針」だとして、引き続き顧客還元策に注力していくと説明。その一環として、「docomo with」の対象端末やフィーチャーフォンなど長く利用される傾向にある端末に対し、「ケータイ補償サービス」の料金引き下げを検討していることを明らかにした。詳細については、docomo withの新機種が発売されるまでに明らかにするという。
 
 
 

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