速度制限が満足度に大きく左右――2015年日本モバイルデータ通信サービス顧客満足度調査
2015年6月1日 11時32分更新
・モバイルデータ通信サービスの総合満足度は「通信品質・エリア」の満足度に最も左右される
・速度制限を経験すると満足度の低下のみならず、モバイルデータ通信サービスの利用意向も低下
・UQ WiMAXが3年連続で総合満足度第1位
J.D.パワー アジア・パシフィックは、2015年日本モバイルデータ通信サービス顧客満足度調査の結果を発表した。当調査はデータ通信専用端末の個人利用者を対象にモバイルデータ通信サービスの満足度および利用実態を調べたものだ。
今回が第3回目の調査となり、2015年3月にインターネット調査を実施、総計2,750人から回答を得ている。モバイルデータ通信サービスの総合満足度は、「通信品質・エリア」「各種費用」「端末・オプションサービス」「手続き・サポート対応」の4つの要素(ファクター)で構成されているが、モバイルデータ通信サービスに対する最も影響度がファクターは「通信品質・エリア」となっている。
「通信品質・エリア」に対する満足度はインターネット接続に関する不具合経験により大きく左右されるが、それ以外にも速度制限(契約プランであらかじめ設定されているデータ通信量の上限に達したため、通信速度が遅くなったりしたこと)の経験有無によっても大きく左右される。また、速度制限を経験すると満足度が低くなるのみならず、モバイルデータ通信サービスそのものの利用意向も低くなる(速度制限の経験「よくある」人のモバイルデータ通信サービスの今後の利用意向:55%に対し、速度制限の経験「まったくない」人のモバイルデータ通信サービスの今後の利用意向:80%)が、速度制限を経験した人はこの3年間で増加している。(2013年:33%→2014年:37%→2015年:41%)
現在、モバイルデータ通信サービスは高速化しており、光ファイバーなど固定ブロードバンドと遜色ない通信速度のサービスも増えている。今後もさらに高速化する状況を踏まえれば、モバイルデータ通信サービスはインターネット接続のメイン回線となりうる土壌は整いつつあると言える。しかし前述のとおり、速度制限など満足度が低下するような経験をしてしまうと、ユーザーの満足度およびサービスそのものの継続利用意向も低下してしまう。それゆえ、今後モバイルデータ通信サービスを利用拡大させるためには、速度制限の撤廃などメイン回線としての利用に耐えうるサービス提供をしていくことが事業者に求められよう。
モバイルデータ通信サービス各社の顧客満足度は、UQ WiMAXが3年連続で顧客満足度トップ(532ポイント)となっている。顧客満足度 第2位はNTTdocomo(529ポイント)、第3位はau(524ポイント)となった。UQ WiMAX は「各種費用」、NTTdocomoは「通信品質・エリア」「サポ―ト対応」、auは「端末・オプションサービス」で最も高い評価を得ている。なお、上位3社間の総合満足度の水準を比較すると、2014年は18ポイント差であったのが、2015年は8ポイント差まで縮小している。
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