サイトリニューアルで見れなくなってしまうことも――視覚障害者のインターネット利用実態
2015年2月2日 17時24分更新
・視覚障害者のパソコン利用において、大変満足と、まあ満足の小計は70.0%
・ウェブ上にバリアがあり、欲しかった情報を見られなかった経験のある人は76%に上る
・サイトリニューアルをきっかけにそれまで使えていた機能が使えなくなったケースも
日経BPコンサルティングでは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が、2016年4月1日に(一部の附則を除き)施行されることを踏まえ、視覚障害者のインターネット利用実態を2014年10~11月にかけて調査した。
視覚障害者のパソコン利用満足度(「大変満足」と「まあ満足」の小計)は70.0%となり、一定の評価が見られている。しかしその内訳を見ると、「大変満足」は7.1%であり、多くは「まあ満足」(62.9%)という評価にとどまった。
この要因として考えられることの1つがWeb上のバリアである。パソコン利用時にWeb上にバリアがあることで、欲しかった情報が見られなかったり、手続きが最後までできなかった経験を尋ねたところ、経験がある(「よくある」と「たまにある」の小計)は75.7%となった。全盲者においては「よくある」(36.1%)と「たまにある」(55.6%)の合計が9割を超えており、快適なインターネット利用ができているとは言えない。
またパソコン利用時に、Web上にバリアがあることで利用が最後までできなかった経験の具体的なシーンを自由に回答してもらったところ「インターネットバンキング・ネット通販などで、時折サービス画面がリニューアルされて今までできた操作ができなくなった経験あり」といった意見もあり、改善のチャンスであるWEBサイトリニューアル時に、アクセシビリティに対する配慮が加えられていない実態があることもうかがえた。