電子書籍ストアの満足度は「eBookJapan」が1位に、「LINEマンガ」、「BookLive!」が続く
2014年10月15日 11時28分更新
・電子書籍ストアの利用率は、楽天koboストアがkindleストアをわずかに上回りトップ
・電子書籍ストアの満足度は大きな差はないが、「eBookJapan」が76.1ptでトップ
・2017年度の電子書籍コンテンツ市場規模は2,000億円に (2011年度比約3倍)
・電子書籍閲覧端末の出荷台数は、2016年度に1,200万台を突破
株式会社ICT総研は10月15日、「2014年度 電子書籍コンテンツ市場動向調査」の結果を発表した。調査はWebアンケートにて行われ、調査対象はインターネットユーザー4,409人となっている。
調査によると「過去1年以内に電子書籍ストアを利用したことがある」とした回答者が23.3%となっており、まだまだ市場の拡大の中途であるとレポートでは分析されている。利用したことがある電子書籍ストアでは「楽天kobo電子書籍ストア」が利用率6.6%で1位、2位は6.5%で「kindleストア」と僅差となった。電子書籍利用者は若年層が多い一方、この上位2ストアはシニア層の利用率も比較的高いことが指摘されており、3位以下のストアと差をつけた要因であると思われる。
他の電子書籍ストアの利用率は2~3%前後であり、1年前の調査と比較すれば利用率は軒並み増加しているとはいえ、やはり利用率は未だ低い模様だ。
電子書籍ストアの満足度は「eBookJapan」が76.1ポイントでトップになった。「LINEマンガ」が75.0ポイントで2位、「BookLive!」が74.4ポイントが3位でこれに続いている。「eBookJapan」は1年前の同調査から引き続き満足度の高さを継続しており、評価できるだろう。2位の「LINEマンガ」はユーザー数の多さに、購入者限定スタンプの提供が影響したと指摘されている。全体的にどれか1つのストアが満足度で抜きんでている状態ではなく、利用者は概ね満足している様子である。
2013年度の電子書籍コンテンツ市場は1年前の市場規模予測の1,010億円を若干下回り、963億円と推計された。フィーチャーフォン向けの市場の縮小が想定よりも早かったのが要因であると指摘されている。しかし2014年度以降の市場はタブレット端末の普及に合わせて順調に伸びていくと予想しており、2014年度は1,160億円、2017年度には2,000億円に達すると予測。コミックに比べて普及が遅れている活字本(小説など)の普及がカギであるという。
電子書籍閲覧端末の出荷動向をみてみると、タブレット端末の出荷台数が好調のため前年時点での予測を大きく上回り、タブレット端末を含めた「電子書籍閲覧端末」全体では2013年度は780万台と前年比1.4倍を記録している。一方で「電子書籍専用端末」その内の8.7%、68万台とタブレット端末と比べて存在感は薄い。ただしこの市場を牽引するAmazonの「Kindle」や楽天の「kobo」はラインナップを年々拡充していっており、今後は電子書籍専用端末の市場も堅調に拡大していくと予測されている。
「電子書籍閲覧端末」全体では2016年度には1,285万台に達する見込みとなっている。更にスマートフォンで電子書籍コンテンツを読むユーザーも増加傾向にあり、スマートフォンの大画面化によって、ユーザーの電子書籍コンテンツを読む端末の選択肢が今まで以上に増えると指摘。今後も市場は右肩上がりの拡大をしていくだろうとレポートを結んでいる。
なお詳細なレポートに関しては以下のリンクを参照してもらいたい。
・ICT総研:「2014年度 電子書籍コンテンツ市場動向調査」
http://www.ictr.co.jp/report/20141015000069.html
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