認知度9割以上、カギはリスク対策――「業務パッケージの利用とクラウド化に関する共同調査」
2015年2月16日 10時15分更新
・調査対象は500人未満の中堅・中小企業のビジネスパーソン
・クラウドの認知度は業種や規模を問わず9割以上
・なんらかのクラウドサービスを利用している人は認知者の37%
日経BPコンサルティングは日経BP並びに業務パッケージ・ベンダー各社と共同で、中堅・中小企業における業務パッケージ・ソフトの利用状況とクラウド化への取り組みや意識を調査し、発表した。
本調査を共同で実施したベンダーは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)、株式会社OSK、ピー・シー・エー株式会社(PCA)。日経BPコンサルティングの調査モニターなどを対象に、従業員数499名以下の中堅・中小企業に勤務するビジネスパーソン1,101名から回答を得た。
業務パッケージを使ったシステムのクラウド化の前提として、回答者に「クラウド」という言葉自体の認知や理解を尋ねた。その結果、システムの利用部門勤務者などを含めた全回答者の9割以上がクラウドを認知しており、「よく知っている」が半数近くに上った。しかもクラウドに対する認知は、従業員規模、業種によらず9割を超えた。クラウドという考え方は、市民権を得たと言えそうだ。
業務パッケージ・システム以外を含めて、勤務先で何らかの「クラウド・サービス」を現在利用している人は、認知者の37.0%だった。この比率は企業規模と共にやや高くなる傾向があるが、従業員9人以下の小企業でも32.0%がクラウドを利用していた。クラウド利用は企業規模によらず広がりを見せている。
クラウド化を進めたい理由として最も多く挙がったのは「BCP上のメリット」の34.5%、次いで「最新機能が使える」(28.1%)や「システム運用管理などの負荷軽減」(26.4%)だった。中堅・中小企業は、システムに必ずしも潤沢な投資はできない。自らシステムを二重化したり、頻繁にバージョンアップをすることは難しい。また、システム担当スタッフが多いわけではない。そうしたことの裏返しとして、システムを外部化する(持たずに済ませる)ことの恩恵を、クラウド利用のキーファクターと考えている。タイプ別に見ると、PaaS/IaaSよりSaaS型に期待する企業が多いのも、同様のマインドによるものだろう。
一方クラウド化を進めにくい理由を尋ねたところ、「セキュリティに不安」(32.9%)と「データを外部に預けることに不安」(24.7%)というセキュリティ関連が上位に並んだ(図4)。中堅・中小企業にとっても、セキュリティ確保がまずは必要である。
進めにくい理由で3番目に多かったのが「保守・運用コストが高い」(21.3%)である。また別の質問として尋ねた業務パッケージのクラウド化に際しての重視点では、コスト関連が1位、2位を占めた。クラウド移行にあたっては、ユーザー企業はコストをかなり気にしており、こうした意識にどのように対応していくのかもクラウド進展のポイントになりそうだ。
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