NTT決算発表。2022年度第1四半期は増収増益
2022年8月8日 15時20分更新
NTT<9432>は2022年08月08日、2022年度 第1四半期決算(2022年4~6月)決算を発表した。営業収益と当期利益については、第1四半期としては過去最高を更新した。
■NTTの決算概況
営業収益は3兆689億円(対前年6.1%増)、営業利益は5034億円(対前年3.5%増)で増収増益となった。当期利益は3686億円(対前年8.4%増)で、要因は営業利益見合いの増益と法人税等の一過性の増益のため。。また、営業収益の増収のうち為替影響は570億円となっている。
■セグメント別での実績
【総合ICT事業】
営業収益は、法人事業とスマートライフ事業が好調で増収はあるものの、コンシューマー事業の値下げの影響等により137億円の減収。営業利益は、この減収を各事業におけるコスト削減でカバーし増益となった。
【地域通信事業】
固定音声収入の減益と、前年度計上した不動産売却益がなくなり、対前年で減収減益。
年間では、SI事業や成長ビジネス収入の増に加え、経費削減で増収増益を見込んでいる。
【グローバル・ソリューション事業】
NTTデータによるデジタル化需要の増や、NTTリミテッドの付加価値サービス拡大等で、対前年で増収増益。
【その他(不動産・エネルギー)】
エネットにおける電力取次の増加、燃料価格の高騰を反映した電気料収入増等で、対前年で増収。
■トピックス
【メディカル・ヘルス事業の推進】
8月8日、遺伝子検査・データ解析のジェネスヘルスケア(株)と資本業務パートナーシップ締結。これに併せてジェネシスヘルスケアの株式19.3%を取得する。
NTTライフサイエンスの技術にジェネシスヘルスケアの技術を掛け合わせて解析・検査の質を向上させ、製薬会社や医療機関へ提供する。
【組織の一部を地域へ分散】
2022年10月より、持株会社の経営企画部門など一部の本社機能を、群馬県と京都府に試験的に分散させる。
これは、2021年9月に公表した「新たな経営スタイルへの変革」案で示された「組織(本社・間接部門等)の地域への分散」の取り組みによるもの。
また、今年7月からは国内主要グループ会社の全社員を対象にリモートワークを基本とする働き方を導入し、転勤や単身赴任を行わない体制の拡大を目指している。
【他社ローミングについて】
代表取締役社長の島田氏は、緊急通報のローミングについては出来るだけ早く実現するよう協力すると話した。また、どこまでローミング対象にするかの問題は複雑であり、恐らく法人向けでバックアップサービスなどを考える必要があると話した。