対面銀行部門では大垣共立銀行、新形態銀行部門ではソニー銀行が満足度1位を獲得――2015年日本住宅ローン顧客満足度調査

2015年2月18日 12時50分更新


 J.D. パワーは2015年日本住宅ローン顧客満足度調査の結果を発表した。
 本調査は住宅ローンを契約している全国20歳以上の男女をを対象としており、借入先の金融機関での契約時や返済時における経験、各種サービスへの満足度を調べたものとなっている。また直近1年以内に住宅ローンの新規借入か借換えを行った人を【契約編】、契約して1年以上経過している人を【返済編】として集計している。

 対面銀行部門で顧客満足度1位となったのは大垣共立銀行。「各種案内/手続き」がトップ評価で「店舗施設」の評価でも高評価を得たのが1位の要因のようだ。2位は青森銀行、3位の八十二銀行と続いており、両行とも「各種案内/手続き」と「顧客対応(担当者)」が高く評価されている。

 新形態銀行部門ではソニー銀行が顧客満足度1位となった。「各種案内/手続き」「顧客対応」でトップ評価を得ている。
 2位の住信SBIネット銀行、3位の新生銀行。両行も「各種案内/手続き」の評価が高い。前回と同様に大半の金融機関は契約後の満足度は低下するが、ソニー銀行、住信SBIネット銀行、新生銀行の3行は契約後の満足度が上昇していると指摘されている。

 また本調査では住宅ローンの金利低下についての意識も扱っており、住宅ローン金利は「変わらない、または低下する」と答えた人は49%で、前回調査の31%から大幅に増えているという。またこの1年に借換えを検討したことがある人は32%と、前回から2ポイント低下している。
 その要因としては2014年は消費税増税後に新規住宅販売が低迷した中、金利先安観の広がりで借換え需要も鈍化し、住宅ローン市場全体が冷え込んだ可能性が高いことが挙げられている。

 実際住宅ローンの適用金利も一段と低下しており、そのため低金利競争が激化した結果、価格差が見えづらくなっている環境にある。契約した金融機関を選んだ理由でも「金利の安さ」がやや減り、「申込みや審査、契約手続きが簡単」「会社の知名度・信用度」が増えていることが調査でも明らかになっている。消費者が能動的に住宅ローンを選び始めた兆しが見える中、各金融機関はこれまで以上に金利以外での差別化が求められるとJ.D. パワーは指摘している。

 一方で住宅ローンを契約した人の金利タイプは変動金利が49%で、前回から3ポイント増えており、この1年で中京圏や中小企業勤務者、年収が高くない人など、これまで固定金利を選ぶことが多かった人でも、変動金利を選択する人が増えているという。
 変動金利は返済負担が少ない分、金利上昇次のリスクが大きいというデメリットもあるため、安易に変動金利を選択していないかという危惧もある。消費者も金融機関も、これまで以上に金利リスクを意識して、慎重に金利プランを選定することが必要であると述べている。

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