KDDI、au初の家庭向けIoTサービス「au HOME」発表、田中社長「auライフデザインの中枢に位置」  

2017年6月1日 10時20分更新

 KDDIは5月30日、都内会場で「au発表会 2017 Summer」を開催した。登壇したKDDI代表取締役社長 田中孝司氏は、「スマホもいきわたって、ドキドキするものがなくなってきている、という思いをずっと持ってきた。新たな取り組みを紹介したい」とコメント。2017年夏の新商品ラインアップとしてフィーチャーフォンを含む9機種、au初となる家庭向けIoTプラットフォーム「au HOME」、そしてAndroidスマートフォンの新機能「Google アシスタント」との連携を発表した。 
 また、発表会の終盤には、「三太郎」のCMシリーズでかぐや姫を演じている有村架純さん、乙姫役の菜々緒さんが着物姿で登場し、会場を盛り上げた。
  
  
 
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 新たに発表された2017年夏モデルはスマートフォン7機種とフィーチャーフォン2機種。auオリジナルモデルの「TORQUE」「Qua phone」「MARVERA」「かんたんケータイ」に、定番の最新モデル「Galaxy S8」「Galaxy S8+」「Xperia (TM) XZs」「AQUOS R」「HTC U11」である。
 
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 「Galaxy S8/S8+」は、フレームを極限までそぎ落とした手に収まる全画面ディスプレイ、超高速AFで暗い場所でも綺麗に写真が撮れるデュアルピクセルカメラ技術を搭載。新しいインターフェース「Bixby」も搭載しており、名前がわからないモノや場所も、カメラで撮影するだけで容易に情報を確認することができる。
 なお、「Galaxy S8/S8+」を対象期間に予約・購入したユーザー全員に「Gear VR with Controller」をプレゼントするキャンペーンを実施する。
 
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 「HTC U11」は、スマホ側面下部に新開発の独自センサー「エッジ・センス」を搭載。”にぎる”だけで写真を撮る、メモをとる、録音するといった操作ができる。新開発のHTC独自AI「センス・コンパニオン」を搭載しており、AIがユーザーの日常を継続学習し、日々の行動やスケジュールを先回りして、必要な情報やアドバイスを提供してくれる。
 また、別売りの専用モバイルVR端末「LINK」を接続することで、VR空間で全身が動き回れる最先端の体験を楽しむことができる。
 
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 「AQUOS R」は、残像を抑えてなめらかに表示する120Hz駆動ハイスピードIGZO液晶ディスプレイ、約2,260万画素 (広角約90°) の光学式手ブレ補正対応カメラと約1,630万画素のサブカメラを搭載している。人工知能「エモパー」が進化して搭載されているほか、振り向く充電台「ロボクル」が同梱される。
 
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 「Xperia XZs」は、ディスプレイ面から側面、バックパネルまでがひとつに繋がっているようなデザインとカラーになっている。新開発のカメラシステム「Motion Eye」を搭載し、イメージセンサーにメモリを搭載することで、従来比約5倍の高速データ読み出しができる。
 
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 「TORQUE」は、屋外や作業現場での利用を想定し、高さ1.8mから鉄板・コンクリートに製品を26方向で落下させるメーカー独自試験をクリアした耐久性を備える。また、広角幅135°のスーパーワイドアクションカメラとアクションオーバーレイ機能を搭載している。
 
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 「Qua phone」は、ディスプレイ全体で音を伝える「スマートソニックレシーバー」を搭載しているほか、MIL-STD-810Gに準拠した耐衝撃性能を備え、ディスプレイ部のガラスにはキズつきにくく高い強度の「Dragontrail X」を採用している。商品の企画から設計、開発、試験、製造のすべての工程を日本国内で実施した「国内品質」となっている。
 
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 「MARVERA」は、1,700mAhの大容量バッテリーに加えて、消費電流を抑えるエコモードを搭載している。また、約1,300万画素の高画質カメラ、ピント合わせが速い「像面位相差オートフォーカス」、明るさを自動的に補正する「オートダイナミックレンジ補正」を搭載している。
 「かんたんケータイ」は、大きな文字サイズとわかりやすいメニュー構成の「でか文字」と、メイン液晶でもサブ液晶でも時間がひと目でわかる大きな時計表示の「でか時計」に対応しているほか、「スマートソニックレシーバー」搭載により、耳当て位置を問わず使用することができる。
 
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 発表されたスマートフォン7機種は、Androidスマートフォンの新機能「Google アシスタント」に対応している。また、フィーチャーフォン2機種についても、小型のドングルをテレビに接続するだけで、ケータイに届いた画像をテレビ画面で見られるようになる新サービス「テレビ de 写真」を利用することができる。
 
 新商品発表の最後に、田中社長は、「(今回の新製品では)驚くような発表はないが、確実に進化している。お客様のニーズ、ウォンツに合わせてラインアップした」と語り、これから市場に送り出される9機種に自信をのぞかせた。
 
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 そして、今回の発表会で最も注目を集めたのが、田中社長が「auライフデザインの真ん中に位置する」として期待を込めたau初の家庭向けIoTサービス「au HOME」である。
 
 「au HOME」は、スマートフォンとセンサーやネットワークカメラなどの「au HOMEデバイス」を活用し、外出先でも家族や自宅の状況把握、家電の遠隔操作などがおこなえるIoTサービスである。専用アプリケーション「au HOMEアプリ」から、外出先でも自宅の鍵・窓の開閉状況や、家族・ペットの状況などを確認することができる。
 auの家庭用インターネット回線「auひかり」の加入者が対象で、基本利用料490円 (税抜)/月+「au HOMEデバイス」機器代金で提供される。また、基本利用料とおすすめのau HOME対応端末がセットになったプランも用意されている。サービス開始は7月下旬以降から。au取扱店およびau WALLET Market(auショップ)で申し込みの受付を行う。
 
 「au HOMEデバイス」は、第一弾として「鍵開閉状況センサー 01」(8800円)、ドアや引き出しなどの開閉状態を確認できる「開閉センサー 01」(3000円)、窓、ドア、引き出しの開閉状態を確認できる「マルチセンサー 01」(3800円)、人やペットが動くと反応する「マルチセンサー 02」(5300円)、「ネットワークカメラ 01」(1万800円)を予定している。
 また、デバイスの設置が苦手だったり、初期設定が不安なユーザー向けに、アプリのダウンロード、端末の設置、初期設定、動作確認をサポートする「訪問設置サポート」も有料で提供する。
 
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 発表会の中盤には、au HOMEとGoogle アシスタントでの連携が発表され、Google アシスタントプロダクトマネージメントディレクターを務めるSteve Cheng氏がスペシャルゲストとして登壇する場面もあった。
 
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 この発表会の1週間ほど前に、ドコモが新製品発表会で月額1,500円をずっと割引し続ける新プラン「ドコモwith」を発表した。その発表を受けて、他キャリアの対抗策が注目される中でのau発表会ということもあり、質疑応答の時間には、田中社長に向けて記者から、ドコモwithを意識した質問が飛んだ。
 田中社長は、「ドコモさんがいろいろリリースされているので(ドコモwith対抗策として)料金で久々にauもガツンと行こうかなと考えている。(正式発表は)もう少しお待ちを、、、」と答え、準備を進めていることを明かした。そして、発表会終了後の囲み取材で、新料金プランの内容や開始時期についてたずねられたが、「ノーコメント」を繰り返し、この日の新プランの発表とはならなかった。
 
 内容さえ明かさなかったものの、「ガツン」という表現で対抗心を見せた田中社長。「ドコモwith」がターゲットとするミドルレンジ市場を巡る新たな戦いが始まるのか。今後のauの新料金プラン発表に注目が集まる。
 
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