自信のある人ほど危うい? 富士通、サイバー攻撃に遭いやすいユーザーを判定する技術を開発

2015年1月22日 11時00分更新


・ウイルス被害に遭いやすい人への警戒を強めるなどきめ細かい対策に利用

・リスクよりもベネフィットを優先する人はウイルス被害にあいやすい

・PC操作に自信のある人ほど、フリーズ状態時のキー操作が多くなる

 
 
 富士通と富士通研究所はメールやWebなどのPC操作からサイバー攻撃の被害に遭いやすいユーザーを判定し、個々のユーザーや組織に合わせたセキュリティ対策を可能にする技術を開発した。

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 本技術を適用することで不審メールに含まれるURLをよく確認せずにクリックするユーザーに対して個別に注意喚起のメッセージを表示したり、ウイルス被害に遭いやすい人が多い部門で不審メールに対する警戒レベルを上げたりといったきめ細かいセキュリティ対策が可能になる。

 今回の技術開発のため、富士通ではウイルス被害・詐欺・情報漏洩という3種類の被害に対して、社会心理学の専門家とともにネット上のアンケート調査で被害に遭いやすい人の心理特性を分析しましている。被験者は全国の20~60歳代の会社員(男女)約2,000名。業務の大半を自分専用のパソコンで行い、かつ、そのうち半数が被害の経験がある。

 分析の結果、例えば、リスクよりもメリットを優先する人(ベネフィット認知が高い人)はウイルス被害に遭いやすいことや、PCを使いこなしている自信の強い人は情報漏洩のリスクが高いなどの傾向が明らかになった。

 またユーザーのPC操作ログ(メール操作やWebアクセス、キー・マウス操作など)を収集するツール、PCフリーズなどの疑似的な異常状態を作り出すツールを開発して、富士通の従業員約250名にアンケート調査を行い、被害に遭いやすいユーザーの心理特性と行動特性の関連を分析して数値化したところ、PCを使いこなしている自信の強いユーザーは、PCを擬似的にフリーズ状態にしてキーを動かなくすると、キー操作が多いことや、ベネフィット認知の高いユーザーはプライバシーポリシーを読む時間が短いことが判明している。

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